ギタリスト同士って、実はあんまり横のつながりが無いですよね。 

まだ同世代ならともかく、世代が違っちゃうとこれはホントに、一緒に演奏したり

制作したり、って機会がホントに少ない。そういう意味でもとても楽しみにしてます。

いろんなギタリストが集まってくれるといいなあ! 


ただもうギターが何より好きで、気がついたらギタリストになっちゃってた僕たち。 

ひとつのテーマをそれぞれの解釈で持ち寄ろうというアルバムもさることながら、

実現すればみんなのアンプやギターがずらっと並ぶことになるだろうそのコンサート

のステージ… なんだかギター小僧の僕としてはワクワクしちゃうよね。


テーマとしては「タイムマシーン」。

よく音楽の歴史は繰り返すというけれど、たしかに60年代のポップな音楽が80年代

に流行ったり、70年代のAORな感じが90年代に別の形で花開いたりしているよね。

音楽という物はたしかに二十年周期ぐらいで繰り返しているような感じ……。

音楽と時代はいつも同期していて、それによってらせん階段のように繰り返している

ともいえるでしょう。

人間は過去や未来に実際には行けないけれど、音楽の世界でなら行き来は自由!

皆さんそれぞれがタイムマシーンを操り、好きな時代の好きな世界をモチーフに

作曲してもらえればいいと思います。

年代やスタイルの枠を超えて一緒に楽しみましょう!

「未来に向けて、

    愉しいきっかけになってくれたら最高!」

Co-Producer    松原正樹

「あれは確か1978年のこと、ギターを弾き始めたばかりの高校生でした…」

Executive Producerの瀬古口氏は話し始めた。

そう、今回のアルバムはそんな、1978年、一枚のアルバムの衝撃から

スタートしている。長い旅だ。


企画の“着火点”は1978年、「NEW YORK」という1枚のアルバム……。

それは、鈴木茂、松原正樹、松木恒秀、大村憲司、竹田和夫……といった

錚々たる顔ぶれのギタリスト達が、同じひとつの「NEW YORK」という

テーマに沿った楽曲を持ち寄って作られた、夢のようなアルバム。

そして、同じテーマでありながら、ギタリスト達によって、こんなにも

解釈や奏法が違う、こんなにも多彩な表現が出来る、無限の音世界が

そこに広がる…ギターセッションという無限の可能性を我々に示した

「マイルストーン(一里塚)」でもあった。

このフィジカルなセッションの可能性を追求したこのアルバムは、

当時「ギター少年(Guitar Kids)」達の魂を“発火”させるに、充分な

衝撃であった。

そんな、かつて“発火させられた”ギター少年や、現在も“発火させられ中”

の熱いGuitar Kids達もひっくるめて、時空や年代も飛び越えるような、

素晴らしいギター・セッション・ムーブメントを起こしたい!

そんなシンプルな熱意をガソリンにして燃え上がった企画が、

この「TIME MACHINE(タイムマシーン)」だ。


参加アーティストはご覧の通り。松原正樹氏初め、錚々たる顔ぶれが集まった。

しかし、そこにあるのは“手だれのベテランを使ったノスタルジー・サウンド”

という訳ではなく、むしろ世代を感じさせない“感覚の時空トラベル”を経験

できる、そんな実験が試みられている。

そこには、個々のアーティストが、それぞれのキャリアで培った“スーパー

テクニック”を感じさせつつも、現在の、そして未来へ向けたサウンド構築を

感じさせずにはいられない。

例えば、「EDO(江戸)」をテーマにし、日本情緒をエレクトリックに

表現したアプローチや、変則的な構成技法を駆使する事で、近未来の乗り物に

乗ったような、22世紀のドライブミュージックといえる表現に強く表れている。

まさに、ギターメソッドの万華鏡である。


Co-Producerの松原氏は言う。

「ちょっと元気のない昨今の音楽界に、そして日本に、私たちの“熱風”で

力を与えてみませんか?」